手探りでLuxCoreRender その3「最初に知っておいた方が良い基本設定など」
LuxCoreRender(以下「LuxCore」と略)の使い方を手探りしていくシリーズ。
今回はLuxCoreの基本設定というか、最初に知っておいた方が良い操作方法などについてまとめました。
※記事製作時のバージョン:Blender 2.93 , BlendLuxCore v2.6
LuxCoreの設定項目や操作方法は、CyclesやEEVEEとはかなり変わります。
ある程度使い方を推測できるものも多いですが、中には知らなければ分からないようなものもあります。
この記事では、特に知っておいた方が良い4つのポイントについて解説します。
- レンダリングの自動終了設定
- デノイズの使い方
- マテリアルプレビューの表示
- 新規マテリアルをプレビューに反映させる方法
レンダリングの自動終了設定
LuxCoreのレンダリングは、CyclesやEEVEEと同じく「F12」で開始します。
しかしCyclesやEEVEEとは違って、レンダリングが自動で終了しません(初期設定)。
どういうことかというと・・・
CyclesやEEVEEは、設定した「サンプル数」や「ノイズしきい値」に達したら、自動でレンダリングが終了します。
しかしLuxCoreでは、レンダリングの自動終了はオプション設定で、しかも初期設定ではOFFです。
つまり、
- 画面でレンダリングの進み具合を確認しながら「だいぶノイズも消えてきれいになってきたな・・・よし、ここまで!」と判断して「Esc」を押して終了する
という使い方がデフォルトになっています。
これはいろいろな面で不便なので、自動終了は必ずONにした方が良いです。
自動終了を有効にするには、次のように設定します。
1. 「レンダープロパティ」>「Halt Conditions(停止条件)」をONにします。
2. Halt Conditionsのプロパティを展開して、次の3項目から使用する条件をONにします。
- Use Time(制限時間:秒)
- Use Samples(サンプル数)
- Use Noise Threshold(ノイズしきい値)
複数の条件をONにした場合は、どれかひとつでも条件を満たしたらレンダリングは終了します。
なおHalt Conditions(停止条件)を設定し忘れると、状況によっては大惨事になります。
例えば「夜寝てる間にアニメーションレンダリングをしておこう」という状況でHalt Conditionsを設定し忘れると、翌朝になっても1フレーム目を延々とレンダリングし続けていることになります。
またクラウドレンダーファームを利用するような場合では、いつまでもレンダリングが終了せず、ひたすら料金が加算されるといったことも有り得ます。
くれぐれも注意して下さい。
デノイズの使い方
LuxCoreでデノイズを有効にするには、次のように設定します。
1. 「レンダープロパティ」>「Denoiser(デノイザー)」をONにします。
2. コンポジターの「ノードを使用」をONにします。
これで、「レンダーレイヤー」ノードと「コンポジット」ノードが自動で追加されます。
3. 次のようにノードの接続を変更します。
- 「レンダーレイヤー:DENOISED」>「コンポジット:画像」
これで、デノイズが有効になります。
「DENOISED」が表示されない場合の対処法
上の手順の1と2を逆にして、
- コンポジターの「ノードを使用」をONにしてから、「レンダープロパティ」の「Denoiser(デノイザー)」をONにする
という順番で操作してしまうと、「レンダーレイヤー」ノードに「DENOISED」出力が表示されません。
本来なら、「Denoiser(デノイザー)」のON・OFFはリアルタイムで「レンダーレイヤー」ノードに反映されるべきなのですが・・・どうもLuxCoreでは、この連動に少し不具合があるようです。
対処方法としては、コンポジター内で「Ctrl + R」を押すと、「DENOISED」が表示されます。
「Ctrl + R」は「ビューレイヤー読み込み」のショートカットですが、副次的にノードの状態が更新されて「DENOISED」の表示が切り替わるようです。
※他に、ノードの追加や複製などの操作をしてもノードの状態が更新されるようですが、その場合は追加・複製したノードを削除しなければならないので、「Ctrl + R」が一番簡単だと思います。
マテリアルプレビューの表示
LuxCoreでのマテリアルプレビューは、「オブジェクトのカラー(またはテクスチャ)だけを表示するモード」として働きます。
具体的には、次のような表示方法になります。
- マテリアルのカラー(またはテクスチャ)がそのまま表示される
※陰影や反射・屈折などは描画されない - 背景は黒一色(ワールドの背景は反映されない)
- シーンのライトは反映されない
なお「Mirror」「Glass」「Carpaint」マテリアルはマテリアルプレビューで表示できないらしく、真っ黒で表示されます。
新規マテリアルをプレビューに反映させる方法
マテリアルプレビューまたはレンダープレビューの状態で新規マテリアルを追加すると、そのマテリアルはプレビューに反映されません。
※これも不具合のようです。
対処方法としては、マテリアルを追加したオブジェクトを一度編集モードにします。
これでオブジェクトとマテリアルの連動が更新されるらしく、プレビューに反映されるようになります。
※他に、画面表示をワイヤーフレームまたはソリッドに変更してからプレビューに戻しても、マテリアルが反映されるようになります。
以上、最初に知っておいた方が良い基本設定などでした。
次回はコースティクスの作り方です。
参考サイト
Real-time material preview? - LuxCoreRender Forums
How to create Caustics in Blender • Magic Mark