Blenderの流体シミュレーションで「水を注ぐ」
※記事製作時のバージョン:Blender2.91
簡単な見本を作りながら、流体シミュレーションの使い方を紹介していくシリーズ。
第3回は、「水を注ぐ」やり方です。
これまでの記事で触れた手順やパラメーターなどは、詳しい説明を省略します。
未読の方はこちらからどうぞ。
流体シミュレーション(液体) カテゴリーの記事一覧 - Blenderであそんでみた
実践「水を注ぐ」
今回作るのは、こちらのアニメーション(150フレーム)です。
では、さっそく作ってみましょう。
まずはシミュレーションの前準備。
1. 適当な場所にblendファイルを保存。
2. 追加 > メッシュ > ICO球
3. ICO球を選択した状態で
オブジェクト > クイックエフェクト > クイック液体
4. ドメイン > キャッシュ
- シミュレーション終了フレーム > 150
- タイプ > モジュール
- リジューム可能 > ON
5. アニメーション終了フレーム > 150
※タイプをモジュールにするので、シミュレーションの更新は手動になります。
パラメーターなどを変更する場合は、その都度データの解放・再ベイクを行って、シミュレーションに反映させます。
以上で前準備は終了。
ここからが今回の本題です。
6. フロー > 設定 > フローの挙動 > 流入口
これでフローから液体が発生し続けるようになります。
7. フロー > 設定 > フローを使用 に、下記のキーフレームを打つ
- 70フレーム > ON
- 71フレーム > OFF
これで71フレーム以降は、液体が発生しなくなります。
8. ドメインの寸法を、 X : 8m , Y : 8m に変更。
9. ドメイン > 設定 > 分割の解像度 > 86
10. ドメイン > 液体 > メッシュ > ON
※ドメインのキャッシュのタイプがモジュールなので、メッシュもベイクが必要です。
以上でシミュレーションの設定は完了。
マテリアルや背景などの設定をしたら完成です。
今回使用した機能の解説
流入口
液体が発生し続けるタイプのフローです。
水没すると、それ以上の液体は発生しなくなります。
フローを使用
このパラメーターがONの間だけ、流入口から液体が発生します。
フロータイプが「ジオメトリ」の場合は表示されません。
補足:分割の解像度(Resolution Divisions)について
流体シミュレーションのボクセルサイズ(流体の細かさ)は、
ドメインの一番長い辺の長さ ÷ 分割の解像度
で決まります。
分割の解像度が同じ値ならば、ドメインのサイズが大きい方がボクセルサイズも大きく(流体が粗く)なります。
流体の細かさを保ったままドメインを大きくしたい場合は、分割の解像度も大きくする必要があります。
以上、「水を注ぐ」でした。
※添削・構成アドバイス:相方